都市近郊における大規模造成樹林地の自然回復度評価―シダ植物を指標として―

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タイトル別名
  • Evaluation of natural restoration after reclamation in urban area, using pteridophyte as an index
  • トシ キンコウ ニ オケル ダイキボ ゾウセイ ジュリンチ ノ シゼン カイフクド ヒョウカ シダ ショクブツ オ シヒョウ ト シテ

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抄録

造成後約30年を経た人工樹林地である大阪府の万国博記念公園自然文化園において,林床植生からみた自然回復度評価についての研究を行った。シダ植物の種数を指標として用い,近隣にある孤立林と比較したところ,調査地における出現種数は評価に値する水準にあるといえる。林床および石垣や水路などの人工構造物におけるシダ植物の出現種数について種数-面積曲線を描くと,林床では落葉樹林を含む場所で,人工構造物では上部を樹冠に覆われた小水路護岸で最も多くの種の出現がみられた。林床と人工構造物で多様度指数に有意な差はみられなかったが,出現種の内容が大きく異なる。調査地においては二次林林床で尾根環境を好む種の出現がみられず,谷地形を好む種についてもわずかな出現にとどまることが明らかになった。今後の緑地造成において多くのシダ植物が定着する環境を創出するためには定着場所となる構造物や変化のある地形,適湿な環境などを組み込んでいくことが有意義であろうと示唆された。

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参考文献 (23)*注記

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