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Abstract
ついにメディチ家のトスカーナ大公国の宮廷についての包括的な研究書が出版された。私は「ついに」という言葉を使ったが、それはトスカーナ大公国についても、宮廷についても、近年多くの研究がなされているにもかかわらず、トスカーナ大公国の宮廷についての研究は全くと言っていいほどなかったからである。それは、共和国と君主国を対置させて、共和国から君主国へという政体の変化を退廃と定義するような見方のためでもあるだろうし、あるいはルネサンスの文化に対してトスカーナ大公国における文化を、やはり退廃と位置付ける見方のためでもあるだろう。このような考え方は、19世紀のリソルジメントの時代に生まれたものであるが、1970年代においてもなお、研究者たちに影響を与えていた。そこで本稿では、まずトスカーナ大公国と宮廷という二つの研究史を簡単に概観してから、その中における本書の位置付けを試み、その後本書の概略を紹介し、内容に踏み込んだ若干の論評を行なうことにする。
Journal
- Studi Italici [List of Volumes]
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Studi Italici (47), 149-159, 1997-10-20 [Table of Contents]
Associazione di Studi Italiani in Giappone