鉄(III)共沈濃縮‐黒鉛炉原子吸光分析による石炭試料中のテルルの定量

  • 小田 サチ
    日本女子大学大学院理学研究科物質・生物機能科学専攻
  • 蟻川 芳子
    日本女子大学大学院理学研究科物質・生物機能科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of Tellurium in Coal Samples by Means of Graphite Furnace Atomic Absorption Spectrometry after Coprecipitation with Iron(III) Hydroxide
  • 鉄(III)共沈濃縮-黒鉛炉原子吸光分析による石炭試料中のテルルの定量
  • テツ 3 キョウチン ノウシュク コクエンロ ゲンシキュウコウブンセキ ニ ヨル セキタン シリョウ チュウ ノ テルル ノ テイリョウ

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抄録

石炭試料中に数十ppb程度の濃度で含まれるテルルを,密閉容器中高圧酸素下での燃焼による試料分解と,鉄(III)共沈法による濃縮,黒鉛炉原子吸光法による測定を組み合わせて,精度よく定量できる方法を確立した.石炭試料と助燃剤のでんぷんを燃焼ボンブに入れ,3 MPaの酸素下で燃焼する.生成した三酸化テルルは吸収液としてあらかじめボンブ内に入れた水に溶解させてテルル(VI)酸として回収し,加熱により4価の亜テルル酸に還元する.これを水酸化鉄(III)の沈殿に共沈させて濃縮し,沈殿を塩酸で溶解したのち定容とし,原子吸光法でテルルの濃度を測定した.石炭標準試料NIST SRM 1632c中のテルルを標準添加法により定量したところ,0.057±0.004 mg kg-1であり,参考値0.05 mg kg-1とよく一致した.5回測定の相対標準偏差は,7% であった.この方法を実試料に応用し,産出地の異なる20種類の石炭中のテルル濃度を測定した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (11), 1033-1037, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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