試作粘膜調整材からのフタル酸エステル類の溶出性に影響をおよぼす因子について

  • 川口 稔
    福岡歯科大学歯科医療工学講座生体工学分野
  • 岡本 佳三
    福岡歯科大学歯科医療工学講座生体工学分野
  • 福島 忠男
    福岡歯科大学歯科医療工学講座生体工学分野
  • 宮崎 光治
    福岡歯科大学歯科医療工学講座生体工学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Affecting the Leaching of Phtalate Esters of the Experimental Tissue Conditioner

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抄録

粘膜調整材に含まれるフタル酸エステル類の溶出性におよぼす因子を検討する目的で,3種のフタル酸エステル(DBP,BPBG,BBP)を含む試作粘膜調整材を調製して,蒸留水およびエタノール水溶液(5%および10%)中での経時的溶出量を測定した.試作粘膜調整材からのフタル酸エステルの1日あたりの溶出量は浸漬1日目に最大値を示し,それ以降は徐々に減少した.全浸漬期間(14日間)における各フタル酸エステルの総溶出量はDBPが15.21(蒸留水中),19.41〜32.24(エタノール水溶液中),BPBGが11.24(蒸留水中),13.16〜23.36(エタノール水溶液中),BBPが6.05(蒸留水中),9.10〜15.64mg/g(エタノール水溶液中)であった.本研究の結果からフタル酸エステルの溶出性は,化学構造に起因する疎水性と浸漬媒体に対する溶解度に大きく依存することが示唆された.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 23 (4), 273-278, 2004

    一般社団法人 日本歯科理工学会

参考文献 (24)*注記

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