口腔内装着で変色した歯科用合金の表面分析

書誌事項

タイトル別名
  • Surface Analysis of Discolored Dental Alloys in the Oral Environment

この論文をさがす

抄録

本研究は口腔内で金属補綴装置が変色する原因とその表面状態がどのような変化を生じているかについて調べることを目的として,3名のボランティアの部分床義歯に金銀パラジウム合金と純チタンの2種類の金属試料を装着し,2ヵ月間通常通り使用してもらった.その後,各試料を撤去し,口腔内環境下での金属試料の表面性状や変色層の厚みを,走査型プローブ顕微鏡とX線電子分光分析装置(XPS)を用い,観察および測定を行った.付着物層の厚さには,個人差があり,変色した歯科用金属の最表面は,構成金属元素は検出されず,O,C,N,Sの元素が検出され,球状の付着物に覆われていると考えられた.XPS付属のアルゴイオンエッチング装置を使い,その付着物を除去し,純チタンではその付着物は数100nmの厚さであることは確認できたが,金銀パラジウム合金では付着物を除去できず,付着物層の厚さを確認できなかった.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 23 (3), 193-199, 2004

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (22)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ