異なった微小表面形状を有するチタン表面上での骨芽細胞様細胞の初期動態(in vitro)について

書誌事項

タイトル別名
  • Early Cellular Responses of Osteoblast-like Cells in vitro on Titanium Surfaces with Different Micromorphologies

この論文をさがす

抄録

異なった微小表面形状を有するチタン表面上での骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)の初期の動態をin vitroで検討した.方向性のある微小表面形状はチタン表面を#1500, #400, あるいは#60のエメリー耐水研磨紙で研磨して作製した.一方, 方向性のない表面性状はワイヤ放電加工により作製した.試験片の表面粗さ(Rmax)は#1500研磨面, #400研磨面, #60研磨面, ワイヤ放電加工面でそれぞれ0.8, 2.6, 8.0, 20.9μmであった.各試験片表面上で60分間細胞を培養し, 付着細胞の乳酸脱水素酵素(LDH)活性を測定することにより, 各表面上での細胞付着率を求めた.その結果, 細胞は研磨面よりも, ワイヤ放電加工面上で有意に高い付着率を示した.また3種類の研磨面内では, 表面粗さが大きいほうが高い付着率を示す傾向が認められた.付着した細胞形態をSEM観察したところ, ワイヤ放電加工面上では, 60分間で既に細胞が突起を不規則に伸展させ, 凹凸面上に橋かけをしているような像が観察された.これらの所見は, チタンの表面性状が細胞の動態に影響していることを示し, さらに長期的な細胞の増殖, 分化についても検討する必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 14 (1), 136-141, 1995-01-25

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (16)*注記

もっと見る

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ