リン酸四カルシウム-クエン酸-マロン酸硬化体 -生体活性セメントとしての可能性-

書誌事項

タイトル別名
  • Hardening Material Containing Tetracalcium Phosphate -Citric Acid- Malonic Acid

抄録

新しい硬化体は, リン酸四カルシウム粉末とクエン酸-マロン酸水溶液の練和で試作された. (1) 粉液比=1.3 (g/g) での練和泥は, 表面のpHが迅速に中性領域に近づきながら, 3〜4分以内に硬化した. (2) 粉液比=1.3以上での硬化体は, 歯科用あるいは骨セメントとして実用可能な強度を得た. (3) 硬化体は, 蒸留水中では少量がアパタイトに転化し, この反応はpH=8.0のリン酸緩衝液中だと速くなり, 1日以内で完全な転化が終了した. (4) 硬化体の溶出液 (蒸留水中, ca.2wt%) の凍結乾燥残渣は, 非晶物質だった. しかしながら非晶物質もまた, pH=8.0のリン酸緩衝液中で完全にアパタイトへ転化した. これらの事実は, 生体活性な歯科用あるいは骨セメントとしての, 本硬化体の可能性を示唆した.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 6 (4), 403-410, 1987

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (3)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204210174208
  • NII論文ID
    110002998094
  • DOI
    10.18939/jjdm.6.4_403
  • ISSN
    21884188
    02865858
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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