湖底堆積物中の有機炭素含有率と湖水中の生物生産性，および気象要素との関係－長野県，木崎湖における21年間の湖沼観測からの検証－

• 公文 富士夫

  信州大学理学部物質循環学科

• 金丸 絹代

  Climate System Research Center, Department Geoscience, University of Massachusetts

• 田原 敬治

  信州大学大学院総合工学研究科

• 角田 尚子

  信州大学大学院工学系研究科

• 山本 雅道

  信州大学山地水教育環境研究センター

• 林 秀剛

  NPO法人　信州ツキノワグマ研究会

書誌事項

タイトル別名

• Relationships among weather factors, biological productivity and TOC content of sediments in Lake Kizaki, central Japan
• コテイ タイセキブツ チュウ ノ ユウキ タンソ ガンユウリツ ト コスイ チュウ ノ セイブツ セイサンセイ オヨビ キショウ ヨウソ ト ノ カンケイ ナガノケン キザキコ ニ オケル 21ネンカン ノ コショウ カンソク カラ ノ ケンショウ

抄録

木崎湖において2003年12月に採取した35 cm長の柱状堆積物について検討し，1969年以降の3回の大洪水の層準を認定した．その年代をもとにして平均堆積速度を求め，有機炭素含有率の経年的な変化を求めた．一方，1981年以降に木崎湖で行われてきた毎月の湖沼観測記録をまとめ，21年間のクロロフィルa量の経年的な変化を明らかにして，湖水中の生物生産量の指標とした．また，アメダス気象観測資料を用いて，気温や降水量などの気象要素の資料を得た．これら3者間の相関を検討して，有機炭素含有率は，年間クロロフィルa量および冬の平均気温と有意な相関をもつことを見出した．冬の暖かさ（厳しい冬の短さ）が冬季の生物生産性を高め，それが年間の生物生産量に影響を与えて，堆積物として沈積する有機物量を増加させたと考えられる．湖沼堆積物中の有機炭素含有率は，過去の気温（冬の平均気温）の指標として有効である．<br>

収録刊行物

• 地質学雑誌

  地質学雑誌 111 (10), 599-609, 2005

  一般社団法人 日本地質学会

キーワード

• total organic carbon
• paleoclimate proxy
• winter temperature
• chlorophyll a
• biological productivity
• lacustrine sediment
• Lake Kizaki

詳細情報

• CRID: 1390001206237825536
• NII論文ID: 110003025011
• NII書誌ID: AN00141768
• DOI: 10.5575/geosoc.111.599
• ISSN: 13499963
• ISSN: 00167630
• ISSN: http://id.crossref.org/issn/00167630
• HANDLE: 10091/248
• NDL書誌ID: 7717197
• Web Site: https://soar-ir.repo.nii.ac.jp/records/11989
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I7717197
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/111/10/111_10_599/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可