新聞における漢字頻度特性の分析とNIEのための漢字学習表の開発

  • 野崎 浩成
    愛知教育大学教育学部:東京工業大学大学院社会理工学研究科
  • 清水 康敬
    東京工業大学大学院社会理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • An Analysis of Kanji Frequency in Newspaper Articles, and the Development of a Kanji List for Teaching Newspaper Japanese
  • シンブン ニ オケル カンジ ヒンド トクセイ ノ ブンセキ ト NIE ノ タメ ノ カンジ ガクシュウヒョウ ノ カイハツ

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抄録

近年,新聞を活用した教育(NIE)が注目されており,新聞記事を学習教材として利用する機会が多くなった.しかし,新聞は成人読者を主な対象としており,日本人小中学生や外国人留学生にとっては,新聞に掲載されているすべての漢字を理解できるとは言い難い.そこで,本研究では,新聞記事1ヶ年分を対象に漢字の頻度特性を分析し,新聞を読むためには,どのような漢字を学習すべきなのかを検討した.その結果,(1)新聞紙面上での漢字の占める割合は,41.46%であり,平仮名で34.06%,片仮名で6.34%など,他の文字種と比べて,漢字の使用率が著しく高かったこと,(2)基本漢字500字および学年別漢字配当表を習得すれば,それぞれ70.41%, 89.84%の割合で,新聞に出現する漢字をカバーできること,(3)新聞での使用頻度が高い漢字であっても,学年別漢字配当表には掲載されていない漢字が数多く存在すること,などが示された.以上の結果から,本研究では,NIEのための漢字学習表を開発し,新聞を教材として利用する際に,学習者に教授すべき漢字は何かを明らかにした.

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参考文献 (25)*注記

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