細菌性前立腺炎の発症に関する臨床細菌学的研究

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タイトル別名
  • CLINICO-BACTERIOLOGICAL STUDIES ON THE ETIOLOGY OF BACTERIAL PROSTATITIS
  • II. Virulence Factors of <i>E. coli</i> in Bacterial Prostatitis
  • II. 前立腺炎由来 <i>E. coli</i> の病原性因子

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抄録

細菌性前立腺炎における E. coli の病原性因子を解析するために, 下部尿路に基礎疾患のない急性細菌性前立腺炎患者由来 E. coli 59株の in vitro での各種性状ならびに前立腺組織への付着性について検討した.<br>1) 前立腺炎由来 E. coli はO-4, 6, 18, 22等の特定の血清型に偏っており, haemolysin 産生能を有するものが64.4%を占めていた.<br>2) Type 1線毛の保有率が81.4%, MR線毛の保有率が59.3%と高く, 両者を共に有する株が55.9%と約半数を占めた.<br>3) MR線毛の内P線毛の占める割合は25.7%, S線毛の占める割合は28.6%であり, 必ずしも前立腺由来株に特異的な線毛とは言えなかった.<br>4) 前立腺腺腔上皮細胞への付着に関しては, MR線毛を介するものは不明確であったが, type 1線毛を介する特異的付着が認められた. したがって, 前立腺炎における E. coli の病原性は type 1線毛を中心に発現される可能性が示唆された.

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