性腺外胚細胞腫瘍と腎細胞癌を合併した1例

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タイトル別名
  • EXTRAGONADAL GERM CELL TUMOR COEXISTED WITH RENAL CELL CARCINOMA
  • A Case Report

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抄録

31歳男性, 1997年5月頃より38℃の発熱を認め, 近医にて腹部超音波, CTにより左腎腫瘍を指摘され, 同年10月精査, 加療のため当科紹介となった. 入院後, CTで左腎下極の直径5.5cmの腫瘍以外に左頚部~鎖骨上窩. 気管分岐部上方1cmレベルの気管左側, 横隔膜~両側内外腸骨動脈分岐部にリンパ節腫大が認められた. また, AFP, HCG-βの高値が認められ, 左腎生検, 頚部リンパ節生検にてそれぞれ左腎細胞癌, 性腺外胚細胞腫瘍と診断した. 手術を前提にBEP療法を4コース施行した後, IFN-α, シメチジン併用療法を2週間施行した. リンパ節の縮小率は76%で, 精巣腫瘍のマーカーであるAFP, HCG-βが正常化したため, 1998年4月, 左根治的腎摘出術, 腹部大動静脈周囲, 左頸部, 左鎖骨上, 上下縦隔リンパ節郭清術, 胸腺摘出術を施行した. 摘出リンパ節の病理組織学的診断は全て壊死組織であり, 左腎腫瘍は Renal cell carcinoma であった. しかし, 腹部大動静脈周囲リンパ節の完全切除は不可能であったため, 術後VIP療法を2コース施行した. 性腺外胚細胞腫瘍と腎細胞癌の合併した報告例は無く, 非常に稀なケースと考えられる.

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