回腸導管再作成術後に空腸導管症候群様の合併症を来した1例

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  • A CASE REPORT OF COMPLICATION LIKED JEJUNAL CONDUIT SYNDROME INDUCED BY RECONSTRUCTION OF ILEAL CONDUIT

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抄録

症例は77歳男性. 1989年に他施設にて膀胱癌に対し膀胱全摘除術・回腸導管作成による尿路変向術及び術後45グレイの放射線照射を受けた. 晩期合併症として両側尿管・回腸導管吻合部狭窄が出現し右ステント留置, 左腎瘻造設術が施行された. 長期のカテーテル留置による難治性の尿路感染症と進行性腎機能障害防止のため, 2002年4月12日当科にて回腸導管再作成術を施行した.<br>手術後, 悪心・嘔吐の胃腸症状と全身倦怠感が出現し, 生化学所見では血清ナトリウム・クロールの低下とカリウム・尿素窒素の上昇があり空腸導管症候群様合併症と診断した.<br>十分な補液と食塩摂取を行い, 症状の緩解と血清電解質の正常化を得た.<br>原因として導管が45cmと長かった事, 空腸近くの回腸を利用した事, 腎機能障害が存在していた事が考えられた. また回腸導管作成術を施行した症例でも状況によっては空腸導管症候群様合併症が起こる可能性があり, 術後の注意深い診察と血液生化学所見の追跡が必要と思われた.

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