後腹膜気管支嚢胞の1例

書誌事項

タイトル別名
  • RETROPERITONEAL BRONCHOGENIC CYST: A CASE REPORT

この論文をさがす

抄録

症例は50歳男性. 検診の腹部超音波検査で後腹膜に腫瘤を指摘され, 当科紹介となった. CT, MRIを施行したところ, 左腎後外側で脾との間に40mm大の腫瘤性病変を認めた. 腫瘤は肝よりやや高いCT値を示し, 画像検査では嚢胞と充実性腫瘤の鑑別が困難であった. 左腎や脾との境界も不明瞭であり, 悪性も否定しきれないため手術を施行した. 腫瘤は白色調の壁を有する嚢胞であり, 周囲臓器との癒着はなく容易に摘出できた. 嚢胞は線毛を有する多列円柱上皮で覆われており, 壁の一部には気管支腺様の腺組織, 軟骨組織なども認められ, 気管支嚢胞と診断された. 気管支嚢胞は胎生期に気管支原基が迷人することより生じる先天性疾患である. 通常, 縦隔や肺にみられることが多く, 後腹膜に発生するものは極めて稀である. 本邦では自験例を含めて23例の報告がある.

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ