精巣腫瘍症例における内分泌環境と goadotropin-releasing hormone によるゴナドトロピン分泌機能の検討

書誌事項

タイトル別名
  • ENDOCRINE PROFILES AND GONADOTROPIN RESPONSE TO Gn-RH OF MEN WITH TESTICULAR CANCER

この論文をさがす

抄録

(目的) 精巣腫瘍における視床下部-下垂体-精巣系機能を検討した.<br>(対象と方法) 精巣腫瘍20例において高位精巣摘除術前後に血中LH, FSH, hCG-β測定, Gn-RH試験を行い, 精液検査, 血中 testosterone (T), free testosterone (F-T), estradiol (E2) 測定は術前に行った. 術後Gn-RH試験は術前血中 gonadotropin (Gn) が測定感度以下の症例に行った.<br>(結果) 術前血中Gn非検出は血中hCG-β陽性8例中6例, 血中hCG-β陰性12例中4例に認めた. 術前Gn-RH試験ではGn非検出10例は無反応を, Gn検出10例は有意な (P<0.01) 反応を示した. 術後Gn-RH試験では9例中7例に有意な (P<0.01) 反応を認めたが, 術後血中hCG-β陽性の2例では抑制が持続していた. 血中hCG-β陰性例に対し血中hCG-β陽性例では精子濃度は有意に (P<0.002) 低く, T値に差を認めないが, F-T値, E2値は有意に (P<0.002, P=0.002) 高値であった.<br>(結論) hCG産生精巣腫瘍では下垂体レベルでのGn-RH反応が抑制され, 血中hCGにより精子形成能低下, androgen, E2分泌増加がみられることが示唆された. さらにhCG非産生精巣腫瘍でも gonadotropin 分泌抑制がみられ, hCG以外の抑制因子の存在も示唆された.

収録刊行物

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ