正常膀胱および膀胱腫瘍における微細血管構築

書誌事項

タイトル別名
  • MICROVASCULAR ARCHITECTURE OF THE NORMAL URINARY BLADDER AND THE BLADDER TUMOR

この論文をさがす

抄録

ラットおよびヒトの正常膀胱とヒト膀胱腫瘍の毛細血管, 小血管の微細構築を知るため血管鋳型を作成し, 走査電子顕微鏡にて観察した. ラット膀胱では膀胱収縮時と拡張時における血管鋳型を作成し, 血管構築の変化を調べたところ, 拡張時には膀胱粘膜下の毛細血管は膀胱腔面の平面に1層の不整多角形から成るクモの巣状の血管網を形成しており, 収縮時には毛細血管は屈曲蛇行, ら旋状の変化をきたし, 多角形の網構造は変形する. ヒト膀胱の収縮時の粘膜下毛細血管網はラットの場合とよく似ているが, 多角形の環を形成しない場合や上下において交叉した毛細血管があること, 深部からの血管との交通が密であることなどが異なる.<br>膀胱腫瘍の表面の毛細血管網は全く不規則で, 多角形の網目状は呈さず不規則に屈曲蛇行しており, 腫瘍内部では血管新生を意味する盲端に終る毛細血管, 局部的に拡張した静脈, いくつかの拡張せる静脈が集束した状態のもの, 蔓状静脈叢状のものが認められた.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ