小児腎後性急性腎不全の検討

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  • ANALYSIS OF CHILDREN WITH POSTRENAL ACUTE RENAL FAILURE

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抄録

過去14年間にわれわれが治療をを加えた小児期の腎後性急性腎不全18例の原因疾患と発生病態, および予後について検討を加えた.<br>1) 基礎疾患: 先天性尿路奇形が16例91%を占めており, その内でも後部尿道弁が8例と最も多くみられた. その他, 腎盂尿管移行部狭窄, 膀胱憩室, 尿管瘤などがみられた. 後天性疾患は2例で, 両側尿管結石と悪性腫瘍による尿管閉塞であった.<br>2) 臨床症状: 拡張した膀胱や腎腫大による腹部膨隆が11名60%と最も多く, その他, 尿路感染症による高熱, 下痢嘔吐などの消化管症状, 体重増加不良などの非特異的症状がみられた. 症状の発現時期は生後1カ月未満が約70%であった. 生後6ヵ月以後に症状が出現したのは後天性疾患の2例のみであった.<br>3) 予後: 有効な尿ドレナージの後には電解質異常は2~3日で正常値に戻り, 血清クレアチニン, BUN値も2週間程度で急激な下降は終わる. 長期予後の面から, 腎機能障害が残存していたのは10例55%で, その内の3名では末期腎不全に移行した. 死亡は2例であった. 長期予後の予測には尿路通過障害解除後2~3週目のFENa, RFIが有用と考えられた.

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