進行性尿路上皮癌に対するM-VAC療法の長期成績

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  • LONG-TERM RESULTS OF M-VAC FOR THE TREATMENT OF ADVANCED UROTHELIAL CANCER

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抄録

進行性尿路上皮癌に対するM-VAC (methotrexate, vinblastine, doxorubicin および cisplatin) 療法の長期成績につき検討した. M-VAC治療開始より12ヵ月以上経過観察が可能であった評価可能病変を有する進行性尿路上皮癌37症例を対象とした. 症例の原発腫瘍の内訳は膀胱癌24例, 上部尿路癌13例であり, 年齢は平均62歳であった. 全症例における平均治療回数は3.0サイクル (最小1サイクル, 最大8サイクル) であった. 初期成績としてはCR 5例 (13.5%), PR 10例 (27.0%) がそれぞれ平均2.4サイクルおよび2.1サイクルの治療後に達成定れ有効率は15/37症例 (40.5%) であった. 治療効果の持続期間はCR症例で平均11.6±7.1ヵ月, PR症例は平均4.4±3.5ヵ月であった. CR症例に対しては平均5.2±1.7サイクル, PR症例には平均3.5±1.4サイクルの治療が合計治療回数として施行定れた. 全症例における推測実.生存率は1年生存率で28.125%, 2年生存率は5.859%であった. CR症例5例中2例は平均14.5±4.5ヵ月後死亡し3例は平均20.3±5.4ヵ月生存した. 一方, PR症例10例中9例が平均9.1±5.4ヵ月後死亡し1例のみ12ヵ月後生存した. 以上の結果より, 進行性尿路上皮癌に対する治療としてM-VACは初期治療効果としては優れた治療法であるが, その長期成績は未だ満足すべきものではなく, 反復治療による副作用出現の予防など, 更に有効性を向上定せるためのレジメコの改良, 工夫が必要であると考えられた.

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