γ-Seminoprotein に対するモノクローナル抗体の研究

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  • PREPARATION AND CHARACTERIZATION OF MONOCLONAL ANTIBODY TO GAMMA SEMINOPROTEIN

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抄録

γ-Seminoprotein (γ-Sm) に対するモノクローナル抗体を作製し, その化学的性状につき検討するとともに, その特異性について免疫組織化学法を含めて検討した.<br>久留米大学医学部法医学教室より供与されたγ-Sm主分画標品にて, Balb/cマウスを免疫後, その脾細胞マウス骨髄腫SP2/O-Ag14細胞をPEG法で融合し, ハイブリドーマを得た. 抗体産生スクリーニングはELISA法により, クローニングは軟寒天法で2回施行した. また抗体の特異性の検定はウェスタンブロッティング法によった. 得られたモノクローナル抗体を用いて前立腺をはじめとする各組織におけるγ-Smの局在につきABC法により免疫組織化学的検討を行った.<br>ELISA法で強陽性を示したハイブリドーマにつき再クローニングを行い, ハイブリドーマ, 43-21-1-1を得た. その培養上清はウェスダンブロッティング法において, 抗原の電気泳動で検知しえた全てのバンドと反応した. また, 本抗体のサブクラスはIgG1(κ) であった. 本モノクローナル抗体を用いた免疫染色では, 前立腺の腺上皮細胞内および腺腔内分泌物においてのみ陽性を呈し, 対照とした膀胱, 精嚢, 睾丸, 副睾丸および原発性前立腺移行上皮癌組織においては陰性であった. 本モノクローナル抗体の免疫組織化学法をはじめとする前立腺癌の診断法への応用が可能であると考えられた.

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