腸管利用による膀胱拡大術の臨床成績

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  • REVIEW OF A 14-YEAR EXPERIENCE OF AUGMENTATION ENTEROCYSTOPLASTY
  • Observations on Bowel Dynamics

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抄録

各種萎縮膀胱, 神経因性膀胱に対する腸管利用による膀胱拡大術は, 腎機能保持・尿失禁治療における有用性, また長期成績の向上から積極的に行なわれるようになってきた.<br>今回, 我々は当教室において経験した膀胱拡大術の臨床成績について追跡調査した. 1975年5月近畿大学医学部泌尿器科学教室開設以来, 現在までに膀胱形成術を施行した15例(男:2例, 女:13例, 年齢4~65歳) を対象とした. 原疾患は神経因性膀胱5例, 子宮癌術後6例, 膀胱結核3例, 間質性膀胱炎1例であった. 術式は ileocecal cystoplasty 12例, ileal-patch cystoplasty 2例, ileal-cup patch cystoplasty 1例であった. 後術平均観察期間は54ヵ月であった. 死亡例を3例に認めたが, 2例は子宮癌再発, 1例は膀胱癌新発生であった. 死亡例を除き, 全例術後水腎症の悪化を認めず, 機能的膀胱容量は300ml以上に増大した. 小児神経因性膀胱例を除き, 残尿はほとんど認めず, 間欠自己導尿を必要としなかった. 全例尿失禁は認めなかった. 小児神経因性膀胱の1例で骨盤内膿瘍のため, 29ヵ月後に回盲部導管造設術を施行した.

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