陰茎癌38例の臨床的検討

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  • CLINICAL STUDY OF PENILE CARCINOMA IN 38 CASES

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抄録

1963~1987年に当教室で治療を行った陰茎扁平上皮癌38例を対象とし, 臨床的検討を行った. 初診時の病期はI: 22例, II: 7例, III: 9例であった. 鼠径節転移陽性率はT・深達度・異型度の進行により増加し, 特に異型度G2以上はG1に比し有意に高かった. 27例に化学療法と放射線療法による陰茎保存療法を試み, 11例に完全緩解を得た. G1では58%, T2以下では50%と高い完全緩解率を得たが, 45%が平均74ヵ月で局所再発した. 5年生存率は全体では73%, 病期別ではI: 90%, II: 75%, III: 25%であり, 病期IIIは有意に予後が悪かった. 鼠径節転移例の中でもG2例は各種の治療にもかかわらず3年生存率0%であったが, G1例は5年生存率60%と治療が奏効する例がみられた. 以上より異型度が鼠径節転移・保存療法の効果・転移例における予後を予測する上での重要な因子と考えられた.

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