同側に精管組織と陰嚢内卵巣を認めた真性半陰陽

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タイトル別名
  • TRUE HERMAPHRODITE WITH IPSILATERAL VAS DEFERENS AND INTRASCTOTAL OVERY
  • A Case Report

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抄録

症例は15歳, 戸籍上男性. 女性化乳房を主訴に当科を紹介された. 血中 testosterone 1.6ng/mlと低値を示し, prolactin 23ng/ml と高値を示した. 血液型ではA型血球とB型血球の混在が見られ, 末梢血リンパ球による染色体分析では46, XX/46, XYのモザイクを示した. 精査中, 右陰嚢内容の腫大と疼痛を訴え, 救急受診した. 手術所見: 右陰嚢内には多量の血性貯留液がみられ, 陰嚢底部に単角子宮, 卵管および卵管釆を認め, さらに陰嚢上部には一部に出血と亀裂を伴う拇指頭大の性腺を認めた. 左陰嚢内には上極部に硬結を伴った性腺を認めた. 組織学的所見では右性腺は卵巣, 左性腺は精巣で硬結部は卵巣組織であった. 右性腺内には詳細な検索によっても精巣組織は確認できなかったが, 同側に精管が認められた. 以上の所見より本症例は, 右側に単角子宮ヘルニアを伴う卵巣と, 左側に卵精巣を認める46, XX/46, XYキメラ真性半陰陽と診断された. 右側卵巣の陰嚢内への下降と右精管の発生は胎生期に左側精巣より分泌された testosterone が関与したものと考えられた.

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