皮膚転移を伴ったエリスロポエチン産生腎細胞癌の1例

• 古川 敦子

  徳島市民病院泌尿器科

• 神田 和哉

  徳島市民病院泌尿器科 現 愛媛県立中央病院泌尿器科

• 横関 秀明

  徳島市民病院泌尿器科

• 前林 浩次

  徳島市民病院泌尿器科

• 香川 征

  徳島大学医学部泌尿器科学教室

書誌事項

タイトル別名

• A CASE OF ERYTHROPOIETIN-PRODUCING RENAL CELL CARCINOMA WITH A SKIN METASTASIS

抄録

症例は83歳, 男性. 主訴は無症候性肉眼的血尿. 初診時胸壁皮下腫瘤と左上腹部腫瘤を触知した. 末梢血液検査ではRBC737×10⁴/mm³, Hb 17.9g/dlであり, radioimmunoassay (RIA) 法による血漿エリスロポエチン (EPO) 値は330mU/ml (8～30mU/ml) と異常高値を示した. 左腎細胞癌および転移性皮膚腫瘍と診断し, 摘出術を施行した. 術後ただちに血漿EPO値は正常域まで低下, 赤血球増多症も改善した. 腎細胞癌および皮膚転移巣の組織はともに renal cell carcinoma, alveolar type, clear cell subtype, grade 2であった. 摘出腎の腫瘍組織および正常組織抽出液中のEPO活性はそれぞれ2,430mU/g, 59.5mU/gであった. 術後4ヵ月目に肺, 肝, 骨転移をきたし, 血漿EPO値が再上昇し, 赤血球増多症をきたした. 自験例は赤血球増多を伴う腎癌例報告の23例目, RIA法によりEPO活性を測定しEPO産生腎細胞癌と確定診断した本邦3例目の症例である.

収録刊行物

• 日本泌尿器科学会雑誌

  日本泌尿器科学会雑誌 83 (2), 247-250, 1992

  一般社団法人 日本泌尿器科学会

キーワード

• エリスロポエチン産生腫瘍
• 腎細胞癌
• 皮膚転移

詳細情報

• CRID: 1390282680034707840
• NII論文ID: 110003086262
• NII書誌ID: AN00196577
• DOI: 10.5980/jpnjurol1989.83.247
• ISSN: 18847110
• ISSN: 00215287
• PubMed: 1556845
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1992184156
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可