腎細胞癌におけるインターロイキン1β(IL-1β), インターロイキン6 (IL-6), 腫瘍壊死因子-α(TNF-α) の血清値および遺伝子発現

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タイトル別名
  • SERUM LEVELS AND GENE EXPRESSIONS OF INTERLEUKIN-1/β (IL-1β), INTERLEUKIN-6 (IL-6) AND TUMOR NECROSIS FACTOR-α (TNF-α) IN HUMAN RENAL CELL CARCINOMAS
  • SERUM LEVELS AND GENE EXPRESSIONS OF INTERLEUKIN-1/^|^beta; (IL-1^|^beta;), INTERLEUKIN-6 (IL-6) AND TUMOR NECROSIS FACTOR-^|^alpha; (TNF-^|^alpha;) IN HUMAN RENAL CELL CARCINOMAS

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抄録

腎細胞癌におけるインターロイキン1β(IL1β), インターロイキン6 (IL-6), 腫瘍壊死因子-α(TNF-α) の血清値および遺伝子発現について検討した. 血清値について解析した32例中, IL-1βは1例 (3.1%), TNF-αは6例 (18.8%), IL-6は17例 (53.1%) で高値を示した. さらに, IL-6は stage I+II 14例中2例 (14.3%), stage III+IV 18例中15例 (88.9%) と進行癌で陽性率が高く (p<0.001), また slow type (S) 13例中5例 (38.5%), intermediate type (I) 9例中3例 (33.3%), rapid type (R) 10例中9例 (90.0%) と rapid type の血清IL-6が高値を示した (S vs R, I vs R: p<0.01, S+I vs R: p<0.005).<br>一方, 遺伝子発現では, IL-1β, TNF-αは腎正常部, 腫瘍部ともに発現はほとんど認めなかったが, IL-6は15例中 rapid type の1例と slow type の1例計2例 (13.3%) の腫瘍部に非常に強い発現を認め, 血清IL-6値も高値を示した. また, 培養細胞では3種類のうち2種類において非常に強いIL-6の発現を認めた. しかし, IL-6 receptor の発現は腎正常部, 腫瘍部, 培養細胞ともに弱く, 臨床病期, growth type との相関も認めなかった.<br>以上から, 腎細胞癌のとくに rapid type にはIL-6が深く関与していることが示唆され, 血清中IL-6の測定は腫瘍の生物学的特性を知るうえで臨床上有用であることが示唆された.

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