膀胱原発悪性リンパ腫の2例

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  • PRIMARY MALIGNANT LYMPHOMA OF THE URINARY BLADDER

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抄録

膀胱原発悪性リンパ腫の2例を報告する. 1例目は1989年にTURで治療した膀胱移行上皮癌 (Grade2, Stage pTa) の経過観察中に高度の血尿をきたした64歳の女性である. 今回の腫瘍は膀胱鏡で広基性, 非乳頭状で右側壁に出血を伴い存在していた. 経尿道的 biopsy で non-Hodgkin リンパ腫, diffuse large, B cell type と診断され, CAPによる化学療法を4クール施行したところ, 著効をきたし現在にいたるまで disease free である. 2例目は51歳女性で, 肉眼的血尿を主訴に来院した. 膀胱鏡で左側壁に粘膜面は正常の充実性球状の腫瘤を認めたため, TURで腫瘤を可能なだけ切除した. 病理組織検査で non-Hodgkin リンパ腫 diffuse medium, B cell type と診断され, 他臓器に腫瘍の存在を認めなかったので, 術後VEPAによる化学療法を3クール施行した. 患者は術後約9ヵ月経過した現在も再発の兆候はない.<br>膀胱原発悪性リンパ腫は欧米で約70例, 本邦で自験例を含め23例の報告しかない. 悪性リンパ腫の膀胱限局症例では放射線, 化学療法を用いて膀胱機能を温存させて完治可能と考える.

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