原発性前立腺粘液腺癌の1例

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タイトル別名
  • MUCINOUS ADENOCARCINOMA OF THE PROSTATE
  • A Case Report and Analysis of the Literature

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抄録

症例は, 80歳男性, 肉眼的血尿を主訴に来院. 前立腺触診, 前立腺腫瘍マーカーより前立腺癌が疑われ, 生検を施行. 病理診断は粘液腺癌で, 前立腺全摘術を施行した. 本症例は25年前に上行結腸癌の既往があり転移性腫瘍との鑑別に注意を要したが, 免疫組織化学的検査にて腫瘍細胞に前立腺特異抗原, 前立腺酸フォスファターゼが陽性であり原発性前立腺粘液腺癌と診断した. 腫瘍は peripheral zone に限局していた. 術後1年の現在, 再発なく経過中である.<br>従来, 前立腺粘液腺癌は臨床的にも通常の前立腺癌とは異なった疾患とされてきた. しかし, 本邦の報告例を検討したところ触診所見, 転移部位については通常の前立腺癌と変わりのない所見であった. ホルモン療法への反応についても, 本来の粘液腺癌に分類される印環細胞を認めない症例については, 通常の前立腺癌と異なる所見はなかった.

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