精巣水瘤に対する3%ポリドカノール注入療法

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  • SCLEROTHERAPY WITH 3% POLIDOCANOL FOR HYDROCELE TESTIS

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抄録

(背景と目的) 精巣水瘤に対する3%ポリドカノール注入療法の有用性について検討した.<br>(対象と方法) 1992年7月から1995年3月までに精巣水瘤と診断された11症例 (右2例, 左8例, 両側1例, 平均年齢62歳) を対象に穿刺術を行い, 内容液を完全に吸引した後, 3%ポリドカノール液を3または5ml注入した. 注入は1回のみとし, 3ヵ月目に消失したものを著効, 3ヵ月目はまだ液の貯留がみられたが, 6ヵ月目には消失したものを有効, 6ヵ月目にも50%以下ながら液の残留がみられるものをやや有効, 6ヵ月目も50%以上の液の残留がみられるものを無効とした.<br>(結果) 平均観察期間18ヵ月, 著効4, 有効5, やや有効2, 無効1例, 著効と有効を合せた6ヵ月目の治癒率は75%であった. 再発の1例と無効の1例には精巣水瘤根治術を行った.<br>(結論) 本療法は速効性に欠け, 不妊症の危険性があるものの, 高い臨床効果が認められることから, 成人非交通性精巣水瘤に対する第一選択肢となりうると思われる.

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