冷所保存後のヒト精子運動能に対する Caffeine および Pentoxifylline の効果

書誌事項

タイトル別名
  • EFFECT OF CAFFEINE AND PENTOXIFYLLINE ON HUMAN SPERM MOTILITY AFTER ONE WEEK STORAGE AT 3°C
  • EFFECT OF CAFFEINE AND PENTOXIFYLLINE ON HUMAN SPERM MOTILITY AFTER ONE WEEK STORAGE AT 3^|^deg;C

この論文をさがす

抄録

精子の冷所保存 (3℃, 一週間) におけるメチルキサンチン誘導体添加の有効性と作用時間, 及び添加は保存前と後のとちらが効果的であるかを検討した. Test Yolk Buffer で1:1に希釈した精液を一週間, 3℃で冷所保存を行い, 保存前後に caffeine (C) 1mM, pentoxifylline (P) 1mMを添加して比較した. 保存前添加群では, 37℃復温30分後を最高に運動率の低下を認め, control 群より低い運動率を示したのに対し, 保存後に添加した群は数時間 control 群より高い運動率を示し, 保存後の添加の方が有効と考えられた. しかし, 新鮮精子に対し報告されているのに比べ, 冷所保存後精子に対するC, Pの作用時間は短く, 添加後120分で control 群との有意差は認められなかった. また37℃下で240分までの incubation を行い, 冷所保存後の精子の運動能の変化を検討した結果から, 37℃下で次第に運動率を増し, C, P添加でさらに運動の高まる群 (A群) と, 37℃以下で次第に運動率が低下するが, C, P添加で一時的に運動率が高まる群 (B群), 添加しても効果のない群 (C群), の主に3群に分けた. これらの精子原液所見を比較検討した結果, 精子運動率, 速度, 精子濃度, において3群間に有意差がみられ, 保存前の精液所見から冷所保存後の精子運動能をある程度予測できると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ