書誌事項
- タイトル別名
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- CLINICAL STUDY ON FOURNIER'S GANGRENE
- Value of “Through and Through Drainage”
- “through and through drainage”の有用性
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抄録
1991年から1994年の間に経験した Fournier's gangrene 患者5名について, 年齢, 基礎疾患, 誘因, 病変の範囲, 検出された細菌, 治療法及び予後について検討した.<br>患者の平均年齢は47歳で, 基礎疾患として糖尿病2名, 全身性エリテマトーデス1名, 慢性アルコール中毒1名, 末期の多発性骨髄腫1名であった. 発症の誘因は創感染が2名, 尿道留置カテーテルが2名であり, 1名では明らかなものはなかった.<br>外科的処置として, 2名に広範囲のデブリードマンを施行し, 後に分創植皮術を要した. 3名では, 最小限の壊死組織除去後に罹患部皮下に多数のペンローズ・ドレーンを留置し, 消毒液で洗浄した. このうち2名は病変の発赤, 腫脹が急速に軽減し, 皮膚欠損を残さずに治癒した. 1名は末期の多発性骨髄腫患者で全身状態は極めて不良であり, ドレーン留置後, 炎症所見は軽減傾向にあったが, 敗血症, DICを併発して死亡した.<br>外科的処置として広範囲のデブリードマンが一般的に施行されているが, 皮膚欠損を生じることが多く, 皮膚移植の必要性や二次的創感染等の欠点を有する. 壊死組織の限局的な除去と皮下への多数のドレーンの留置の組み合わせは, 皮膚欠損も最小限で済み, 治療効果も広範囲のデブリードマンと比べて遜色がなかった. 本法は, 広範囲デブリードマンに変えて選択しうる有効な治療法であると思われた.
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 86 (6), 1137-1141, 1995
一般社団法人 日本泌尿器科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680032213120
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- NII論文ID
- 110003088739
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- NII書誌ID
- AN00196577
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- ISSN
- 18847110
- 00215287
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- PubMed
- 7609356
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可