クッシング症候群に対する腹腔鏡下副腎摘除術の検討

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タイトル別名
  • LAPAROSCOPIC ADRENALECTOMY FOR CUSING'S SYNDROME
  • A Study of Comparisons between Laparoscopic and Open Adrenalectomy, and Laparoscopic Adrenalectomy for Differing Adrenal Tumors
  • 開放手術および他の副腎腫瘍に対する腹腔鏡下手術との比較

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抄録

クッシング症候群に対する腹腔鏡下副腎摘除術の有用性を検討するため, 手術結果および術後経過について他の副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術, およびクッシング症候群に対する開放手術と比較をおこなった.<br>対象とした腹腔鏡下副腎摘除術症例は, クッシング症候群6例, プレクッシング症候群7例, 原発性アルドステロン症13例, 内分泌非活性腫瘍14例であり, クツシング症候群の開放手術は5例であった.<br>腹腔鏡下副腎摘除術をおこなったクッシング症候群の手術結果は, 手術時間216±46分, 推定出血量180±194ml, 歩行開始2±1.2日, 食事開始1.8±1.1日, 退院可能日5.8±0.9日であった. 超音波手術装置を導入してからは推定出血量は減少し, 症例の経験とも合わせて手術時間は短縮した. 術中合併症は500ml以上の出血1例, 軽度の脾損傷1例, 術後合併症は軽度の麻痺性イレウス1例, 腹痛1例であった. 他の副腎腫瘍の腹腔鏡下手術と比べ退院可能日のみがやや遅れたが他に有意差はなかった. 開放手術と比較すると手術時間は長いが術後の回復は明らかに早くなった.<br>クッシング症候群に対する腹腔鏡下副腎摘除術は, 慎重な操作, 手技の慣れ, 新たな器械の導入により, 他の副腎腫瘍とほぼ同じ手術侵襲でおこなうことができ, 開放手術よりも著明に術後の回復を早め, 合併症を減らす可能性のある有用な術式である.

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参考文献 (14)*注記

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