進行性前立腺癌の治療における酢酸リュプロレリンの有用性およびエズトラムスチン併用の効果

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  • CLINICAL EFFICACY OF LEUPROLIDE ACETATE AND COMBINED TREATMENT WITH ESTRAMUSTINE FOR ADVANCED PROSTATE CANCER

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抄録

(背景・目的) 多施設合同研究により, ステージD1, D2前立腺癌治療における酢酸リュプロレリン (リュープリン®) の有効性および安全性, またリン酸エストラムスチンナトリウム (エストラサイト®)との併用効果の検討を行う.<br>(対象と方法) 22施設よりの102症例は3治療群 (I群; リュープリン単独, II群; リュープリンとエストラサイト併用; III群; エストラサイト単独) に分けられた. 治療開始後12週目, 24ヵ月目に自覚症状, マーカーを含めた病巣の変化を指標に治療効果判定を行い, 24ヵ月間治療終了時に progression freesurvival, overall survival を解析した.<br>(結果) 不適当例を除いた97症例 (I群; 35例, II群36例, III群; 26例) において, 12週間の治療中の血清テストステロン値の低下に差はなく, 自覚症状の改善度, 抗腫瘍効果においては12週目, 24ヵ月目ともに3群間に有意差はなかった. 副作用の発現率は1群8.6%, II群472%, III群26.9%と3群間に有意差があり, 副作用のために治療が中止された症例はI群1例, II群13例, III群6例であった. progression free survival の中央値はI群661日, II群731日, III群517日で, 24ヵ月目の overallsurvival はI群77.5%, II群83.0%, III群72.4%であり, いずれも3群間の有意差は認めなかった.<br>(結語) 副作用のため治療が中止された症例が多かったものの, 今回の解析では進行性前立腺癌ではリュープリンとエストラサイトの併用では, それぞれの単独治療以上の治療効果は得られなかった.

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