男性患者に対する硬性膀胱鏡前処置としての尿道内局所麻酔薬ゼリー注入の有用性に関する検討

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タイトル別名
  • UNCERTAIN ANALGETIC EFFICACY OF INTRAURETHRAL INSTILLATION OF ANESTHETIC JELLY IN RIGID CYSTOSCOPY FOR MEN
  • ダンセイ カンジャ ニ タイスル コウセイ ボウコウキョウ マエショチ ト シテ ノ ニョウドウ ナイ キョクショ マスイヤク ゼリー チュウニュウ ノ ユウヨウセイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

(目的) 硬性膀胱鏡の前処置として尿道内局所麻酔薬ゼリー注入の有用性を評価する目的で, ゼリー注入から検査終了までの疼痛, および検査後から翌日までの排尿症状につき検討した.<br>(対象と方法) 2002年5月から12月までの間に, 外来膀胱鏡検査を施行した男性62例を対象とした. 初めて膀胱鏡を受けた患者が16例 (初診群), 膀胱鏡の経験が2回以上ある患者が46例 (再診群) であった. これらの対象患者を局所麻酔薬ゼリー注入群, 非注入群に振り分け膀胱鏡を施行した. ゼリー注入群では, 塩酸オキシブプロカインゼリー (ベノキシール®ゼリー) 10mlを検査開始約10分前に外尿道口より注入した後, 膀胱鏡を施行した. 非注入群では膀胱鏡の外套に同ゼリーを塗布し, 検査を施行した. 検査時および検査後の疼痛を, ペインスコアによるアンケートで集計し, 注入群と非注入群を比較検討した.<br>(結果) 初診・再診群ともにゼリー注入群と非注入群の間に, 膀胱鏡挿入時, 検査時における疼痛スコアの平均値に有意差は認められなかった. ゼリー注入自体に膀胱鏡検査時と同等の疼痛が認められた. 特に再診群では検査後の排尿時痛がゼリー注入群で非注入群より高かった. 再診群の75%が, ゼリー注入を行った前回検査に比べ苦痛が少なかったと答え, また96%が以降の膀胱鏡検査時のゼリー注入を希望しなかった.<br>(結論) 塩酸オキシブプロカインゼリーの検査前尿道内注入は, 検査時の疼痛軽減に有用とは考えられなかった. ゼリー注入はそれ自体が疼痛をともない, ゼリー注入により検査後の排尿痛を増悪させる可能性が示唆された.

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