骨シンチグラム上 flare response を呈した前立腺癌の1例

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  • FLARE RESPONSE ON BONE SCINTIGRAPHY IN METASTATIC PROSTATE CANCER

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抄録

当院で過去5年間に骨シンチグラフィーや腫瘍マーカー等で経過観察された前立腺癌患者77例中1例に flare response と思われる骨シンチグラムを認めたので報告する. 症例は51歳男性. 腰痛の為, 近医で加療するも改善せず, 本院受診. 精査の結果, 前立腺癌の骨転移と診断した. 前立腺生検で中分化型腺癌, 腹部CTにて後腹膜リンパ節腫大を認めた. 骨シンチグラムにて多数の異常集積あり. 初診時のPAPは320ng/ml, γ-SMは15ng/mlと異常高値を示していた. 抗男性ホルモン療法を開始し, 約1ヵ月後の腹部CTではリンパ節は著明に縮小, 臨床症状も改善, PAP, γ-SMもほぼ正常域となった. 同時期の骨シンチグラムでは治療効果に反して集積の上昇ならびに new lesion を認め, flare response と考えられた.<br>flare response は治癒過程における一過性の異常集積と考えられ, 治療開始後1~3ヵ月後に多く見られる. Imaging agent, 疾患, 治療内容には関係しない. 骨シンチグラフィーで骨病変の初回治療効果を判定する場合, 短期間内の施行は flare response の出現により病勢を正確に反映しない可能性がある.

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