触覚呈示のための音声スペクトル正規化とその母音ベクトル表現

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タイトル別名
  • Speech spectral normalization and its vowel vector representations for tactile display
  • ショッカク テイジ ノ タメ ノ オンセイ スペクトル セイキカ ト ソノ ボ

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抄録

触覚を利用した聴覚障害者への音声情報伝達において、一般にスペクトル形状やホルマント周波数が母音の音韻性を伝達する情報として用いられるが、それらを直接触覚呈示する方式では、話者の発声器官の大小がスペクトル形状に反映されるために、男女、児童の発声による母音の同定において混同誤りが生じる可能性がある。本論文では、まず話者の特徴に依存しない母音の音韻特徴を得るためにピッチとホルマントの相関に基づく伸縮係数を用いたスペクトル正規化(線形周波数軸伸縮とレベル規格化)を提案した。次に、多数話者の母音認識性能及び合成母音の同定実験で推定された聴覚による母音正規化効果との比較により、本正規化法の有効性を確認した。また、触覚刺激呈示を考慮した母音の音韻特徴として正規化スペクトルの母音ベクトル表現とその振動触覚呈示方式を提案し、それが聴覚による母音の音韻性知覚とよく類似するカテゴリを形成することを明らかにした。

収録刊行物

  • 日本音響学会誌

    日本音響学会誌 51 (7), 519-528, 1995

    一般社団法人 日本音響学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (22)*注記

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