胸部X線単純像における良性と悪性肺腫瘤影の鑑別に関する読影実験 - 腫瘤影の特徴分析

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タイトル別名
  • Interpretation Experiment of the Differentiation of Benign from Malignant Pulmonary Nodules on Plain Chest Film : Radiographic Features of Nodules

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抄録

肺腫瘤影のX線学的特徴と良悪性判別における医師の読影傾向との関連について検討した.小型孤立性肺腫瘤影を呈した80例の胸部X線直接撮影正面像(良性40, 悪性40)を対象とし, 腫瘤影の形状, 濃度, 内部性状, 辺縁, 周囲, 重なる構造に関するX線学的特徴を点数化して検討し, また29人の医師を被検者として良悪性の判別に関する読影実験を行った.形状, 濃度, スピキュラ, 辺縁の鮮明度, 血管集束像および血管の重なり像の各所見の出現頻度に良悪性間で差を認め, これらの所見を有する腫瘤影と有しない腫瘤影との問で読影実験で得られた腫瘤影スコアに有意差を認めた.良悪性に関する判別率は悪性よりも良性で低く, 特に臨床経験の浅い医師群で低かった.上記のX線学的特徴は医師が良悪性の鑑別に利用していると考えられたが, これらの所見の把握には読影経験が関係していた.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 34 385-391, 1994

    日本肺癌学会

被引用文献 (1)*注記

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