16.心膜に原発したmalignantmesotheliomaの1剖検例 : 第50回肺癌学会関東支部会

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抄録

症例は49才の女性で,主訴は全身の浮腫と倦怠感である.胸部レ線検査では,両側の胸水の貯瘤がみられ,心雑音は心尖に一致して心膜のマサツ音が認められた.剖検すると心重量は850grで重く,心嚢内は腫瘍組織で占拠され,鎧心の所見であった.組織学的には,腺管形成がみられ,腫瘍細胞は腺管内腔に向って乳頭状に増殖し,その問質の細胞が腺管形成している上皮細胞と移行像が認められた.又,鍍銀線維染色では,充実性に増殖した腫瘍細胞に上皮性,非上皮性の性格を両方有することが判った.即ち,心膜に原発したdiffuseglandularmalignantmesotheliomaと考えられる.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 15 (1), 68-, 1975-03-30

    日本肺癌学会

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