産生粘液および産生蛋白の性状からみた肺腺癌の検討

  • 伊藤 元彦
    京都大学結核胸部疾患研究所胸部外科
  • 山中 晃
    京都大学結核胸部疾患研究所胸部外科 滋賀医科大学第2外科
  • 玉田 二郎
    京都大学結核胸部疾患研究所胸部外科 倉敷中央病院呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Nature of Protein and Mucus Produced in Pulmonary Adenocarcinoma Cells

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抄録

肺腺癌切除例において,組織亜型や細胞亜型について検討し,さらに産生蛋白や産生粘液の性状と亜型分類や手術予後などとの関係についても検討した。細胞亜型別にみると,気管支腺型のものが他のものの予後よりも良好であった。気管支腺型ではシアロムチン産生が特徴的であり,Clara細胞型のものの多くは粘液産生がみられなかった。蛋白産生は気管支腺型に頻度が高く,気管支腺型で54.8%,Clara細胞型で17,9%に陽性であった。これら腺癌における蛋白やムコ物質の性状は,肺腺癌の多彩な生物学的性状の一面を示すマーカーとして重要で,今後さらに多くのマーカーを追究する必要がある。

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 25 (3), 399-405, 1985-05-31

    日本肺癌学会

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