肺癌切除肺のUsual Interstitial Pneumonia病変とその急性増悪の病理学的検討

  • 河端 美則
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 病理科
  • 青山 克彦
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器外科
  • 星 永進
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器外科
  • 生方 幹夫
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器内科
  • 高柳 昇
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器内科
  • 杉田 裕
    埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Pathological Study of Usual Interstitial Pneumonia in Patients With Lung Cancer Resection: With Special Reference to Its Relationship to Subsequent Acute Exacerbation

この論文をさがす

抄録

目的. 様々な拡がりのusual interstitial pneumonia (UIP) 病変を有する肺癌例の術後急性増悪の病理学的特徴を知ることを主な研究目的とした. 対象と方法. 対象は過去15年間に肺癌のため肺葉以上の切除がされた900例 (男性673例, 女性227例, 平均年齢66歳) である. UIP病変を肉眼的な拡がりによりびまん性, 限局性, ミクロ的に分け, また肉眼形態の特徴から亜分類した. 結果. UIP病変は211例 (男性189例, 女性22例, 平均年齢70歳, 23.4%の頻度) に, 術後の急性増悪と考えられる急性悪化は12例 (5.7%) に見られた. びまん性の拡がりを有する47例は5例 (10.6%) に急性悪化を, 限局性の100例は6例 (6.0%) に, ミクロ的な64例は1例 (1.6%) に認めた. 亜型別には厚壁蜂窩肺型72例中9例 (12.5%) に, 薄壁蜂窩肺型68例中2例 (2.9%) に急性増悪が見られた. 結論. 今回の成績は, a) 肺癌例にはUIP病変が高率に存在する, b) 極めて軽度のUIP病変でも急性増悪の原因になる, c) 急性増悪を誘起しやすい亜型が存在する, の3点を示唆する.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 45 (2), 115-121, 2005

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (28)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ