肺癌の骨転移診断における`99m´Tc骨シンチと`18´FDG‐PETとの比較

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  • Comparison of 99mTc Bone Scintigraphy and 18FDG-PET for the Detection of Bone Metastases in Patients With Lung Cancer

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抄録

目的. 肺癌の骨転移において18F-fluorodexyglucose positron emission tomography (18FDG-PET) を99mTc骨シンチと比較し, その有用性を検討した. 対象及び方法. 2003年4月から2004年10月まで骨シンチとPETとを同時期に施行した肺癌症例を対象とした. 骨転移の最終診断は両検査に加え, 骨単純X線, CT, MRI及び臨床経過にて判定した. 症例は29例で, 男性20名, 女性9名, 平均年齢66.7歳, 組織型は扁平上皮癌9例, 腺癌13例, 腺扁平上皮癌1例, 小細胞癌3例, 肺胞上皮癌2例, 未分化癌1例. 病期はIA期6例, IB期1例, IIB期1例, IIIA期6例, IIIB期5例, IV期10例であり, IV期のうち7例に骨転移を認めた. 結果. 骨シンチでは感度100%, 特異度81.8%であり, 偽陽性4例あった. PETでは感度100%, 特異度86.3%であり, 偽陽性3例あった. 両検査方法の偽陽性・偽陰性の原因として, (1) PETでは骨周辺部位の病変と骨転移との鑑別が困難な場合があること, (2) 骨折病変への取り込みは骨シンチに比較し, PETでは早期に陰性化することなどが挙げられた. 結論. PETは骨シンチと同等以上の診断能を有しており, 同時に他臓器への転移診断が可能な点を考慮すれば, 今後, 骨シンチに代わる検査と考えられる.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 45 (4), 303-309, 2005

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (10)*注記

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