維持血液透析患者に対するLDLアフェレシスの効果 : 閉塞性動脈硬化症を合併した糖尿病性腎症に対して

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  • The Effect of Low-Density-Lipoprotein (LDL) Apheresis on Patients Treated with Hemodialysis : The Influence in Diabetic Nephropathy with Arteriosclerosis Obliterans

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抄録

近年,血液透析患者にも閉塞性動脈硬化症(ASO)の合併が多くなっている.LDLアフェレシス(LDL-A)は,ASO患者に治療として行われてきたが,その作用機序については議論の点が多い.今回,糖尿病性腎症による血液透析患者57名に対しLDL-A10回施行し,血液検査・臨床症状の変化を検討した.LDL-Aにより脂質は減少,HGF・ブラジキニン・NOは増加した.LDL-A終了3ヵ月後にも,間欠性跂行・歩行距離など臨床症状に効果を認めていた症例では,LDL-A開始前LDL-C88.7mg/dl(無効例100.5mg/dl),Lp(a)31.6mg/dl(無効例40.2mg/dl),NO52.3μmol/L(無効例113.1μmol/L)と低く,NO増加率は,19.1%(無効例1.7%)と大きかった.またLDL-A無効例には,API・PTHが高値で動脈硬化が重度である症例が多く含まれていた.LDL-Aの効果として,脂質減少,ブラジキニン・NO産生などによる血管拡張が考えられた.また血管内膜の障害が軽度である症例に対する効果が大きいものと思われた.

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