子どもの死の概念

• 仲村 照子

  調布市教育相談所

書誌事項

タイトル別名

• The Development of Children's Concepts of Death.

抄録

この研究の目的は子どもの死の概念の発達を調べるものである。3歳から13歳までの男女205名の子どもたちに個別に面接し, 死に関する9の質問に答えてもらった。結果は, 幼児期の子どもは大人がもつような死の意味とは違ったものとして理解している。生と死は未分化であり, 現実と非現実の死の区別がなされておらず, その子ども独自の自由な死の概念を形成していると思われる。そして自分は死なないと思っている。児童期あたりから死の現実的意味である普遍性, 体の機能の停止, 非可逆性を理解するようになる。彼らは誰でもいつかは死ぬし, 死によって体の機能は停止するし, 再び生き返ることは出来ないことを理解する。これらの自覚から死は自分にも起こり得ると考えるようになり, それはやがて死後の世界ヘの想像, 願望, 希望が膨らみはじめると思われる。特に年齢が高くなるにつれて人間は死んだらまた生まれかわるという「生まれかわり思想」の増加が目立った。全年齢を通して変化のないものは死はいやな感じであるという感情であった。

収録刊行物

• 発達心理学研究

  発達心理学研究 5 (1), 61-71, 1994

  一般社団法人 日本発達心理学会

キーワード

• 死の概念
• 概念発達
• 認知発達
• 生まれかわり思想

詳細情報

• CRID: 1390001205742788864
• NII論文ID: 110003162216
• DOI: 10.11201/jjdp.5.61
• ISSN: 21879346
• ISSN: 09159029
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可