保育園の食事場面における幼児の席取り行動 : ヨコに座ると何かいいことあるの?

書誌事項

タイトル別名
  • Peer Interactions and Seating Preferences at Japanese Preschool Meal Times.
  • 保育園の食事場面における幼児の席とり行動--ヨコに座ると何かいいことあるの?
  • ホイクエン ノ ショクジ バメン ニ オケル ヨウジ ノ セキトリ コウドウ

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抄録

保育園の2歳児・4歳児クラスの食事場面を観察し, 子ども達がどのようにして席を決めるのかを分析した結果, 以下のことが示された。第1に, 4歳児の方が2歳児に比べて, 自分または他者の着席位置に関して身体的・言語的行為による意見表明をより多く行っていた。第2に, 2歳児も4歳児も, 対面あるいは斜めに柏対する位置関係(タテの位置関係)よりも, 隣合わせあるいは直角に並ぶ位置関係(∃コの位置関係)を好んだ。第3に, 2歳児については, 相互交渉の頻繁さと着席位置の問に関違がみられた。すなわち, タテよりもヨコの位置関係において, より多くの相互交渉が生起し展開していた。第4に, 2歳児は身体接触や目前にある亭物への注目から相互交渉を始めることが多く, 4歳児は日前の事物に縛られない話題から始めることが多かった。第5に, 2歳児の場合, 身体接触や事物への注目をきっかけとした相互交渉はタテの位置関係よりも, ヨコの位置関係において頻繁にみられた。以上の結果に基づき, 食事場面における着席位置の好みと, 社会的相互交渉との関違性を議論した。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 9 (3), 209-220, 1998

    一般社団法人 日本発達心理学会

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