行為遂行の脳内モデル : 失行症例の神経心理学的検討から

  • 望月 聡
    東京大学大学院総合文化研究科 生命環境科学系
  • 河村 満
    昭和大学医学部 神経内科
  • 河内 十郎
    東京大学大学院総合文化研究科 生命環境科学系

書誌事項

タイトル別名
  • A Model for Action in the Brain : from the neuropsychological study of apraxia

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抄録

神経心理学において,失行は従来,観念性失行・観念運動性失行・肢節運動失行の3類型に分類する古典論が支配的である。しかし,症例の呈する多様な症状を説明することが困難である場合も少なくない。我々は,緩徐進行性に失行症状を呈した症例に対し,複数の行為分類の観点から構成された検査を施行した。症例の失行症状の特徴(パントマイム表出の低下)が明らかとなった。この症状は,古典論から説明することが困難であるため,新たな理論的モデルを提示した。行為は概念系と産生系の2つの系からなり,さらに身体中心/物体中心の方法記憶を仮定することにより,症状をより的確に説明することが可能であることを示した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571980077369967360
  • NII論文ID
    110003271512
  • NII書誌ID
    AN10487226
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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