奥行き視における輻輳情報の有効性

  • 四本 裕子
    東京大学 大学院人文社会系研究科心理学研究室
  • 佐藤 隆夫
    東京大学 大学院人文社会系研究科心理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • The effectiveness of vergence information in depth perception

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抄録

人は奥行きを知覚するのにさまざまな手がかりを使用する。本研究では、これら手がかりのうち、輻輳角、相対視差、絶対視差に注目した。一般に、輻輳角の変化は奥行き知覚の手がかりであるとされている。しかし一方で、輻輳角の変化のみでは、奥行きの知覚は生じないという研究も報告されている。そこで、本研究では、輻輳角、相対視差、絶対視差の3種類の手がかりを同じ刺激を用いて比較した。その結果、奥行き判断の手がかりとしては、相対視差、絶対視差、輻輳角の順に有効であることがわかった。また、最も弱い手がかりである輻輳角については、輻輳角を変化させても、知覚される奥行きが変化しているという明確な印象は生じなかったことから、輻輳情報は他のメカニズムに情報をおくっていて、奥行き知覚に直接有効にはたらかないと考察した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571417127416227968
  • NII論文ID
    110003272281
  • NII書誌ID
    AN10487237
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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