昆虫気流感覚細胞の感度向上に寄与する内部雑音の独立性

• 村上 準

  北海道大学 電子科学研究所 電子情報処理部門 神経情報研究分野

• 熊谷 恒子

  筑波大学 生物科学系

• 下澤 楯夫

  北海道大学 電子科学研究所 電子情報処理部門 神経情報研究分野

書誌事項

タイトル別名

• Cell-intrinsic thermal noise for signal transduction enhancement in cricket wind receptor cells

抄録

感覚細胞のような閾値を持った変換器では、本来なら検出できない閾値以下の大きさの信号でも、信号が周期性を持てば閾値と同程度の大きさの雑音の助けを借りて検出が可能になる、Stochastic Resonance(SR)と呼ばれる現象がおこる。コオロギの気流感覚細胞でも、閾値以下の正弦波刺激とともに外部雑音を与えると、神経パルス列に正弦波信号の周波数のスペクトル強度が増すSRが起こる。本報告では、閾値付近の微弱な正弦波刺激に対する2つの感覚神経細胞の神経パルス出力を同時記録し、その発火時刻のゆらぎの細胞間での相関を調べた。その結果、感覚細胞はそれぞれ内部に互いに独立な雑音源を持ち、そのエネルギーレベルは常温の熱雑音レベルに近いことが判明した。

収録刊行物

• 電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス

  電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス 97 (621), 43-50, 1998-03-19

  一般社団法人電子情報通信学会

キーワード

• コオロギ
• 気流感覚細胞
• 発火ゆらぎ
• Stochastic Resonance
• 熱雑音

詳細情報

• CRID: 1571980077337348608
• NII論文ID: 110003286850
• NII書誌ID: AN1001320X
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles