運動データに依らない顎関節の全運動軸の推定

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タイトル別名
  • Estimation of the Kinematic Axis Point of the Temporomandibular Joint Regardless of Cyclic Mandibular-Mavement Data

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抄録

全運動軸は,すべての矢状面内運動に関して定義されるものであり,その軸上の任意の顆頭点の運動は,その運動範囲内では一つの曲面上における往復運動に近いものとなる.このように,全運動軸の概念を用いれば,顎関節の運動を幾何学的に単純に表現できる.この軸上の点の位置をある矢状面内で決定するために,矢状面内限界運動のような周期的な顎運動が用いられてきた.しかし,このような周期運動は正しく行うことが難しいため,軸点の推定精度が悪化するという欠点があった.それを改善するために,本論文では,周期的な運動と非周期的な運動の両方に適用できる新しい方法を提案する.全運動軸点は,顆頭点の運動範囲が最も小さくなる点として決定できる.その決定には,適当な探索アルゴリズムを用いる.この運動範囲は,これまで閉曲線で囲まれた領域の面積で近似されてきたが,ここでは上下の軌道で挟まれた領域の面積とした.それにより,周期運動を不要にした.この領域の面積を最小にする軸点が,全運動軸の推定点とみなせることを,実際の運動データを用いた実験から確認した.

収録刊行物

  • 信学技報

    信学技報 93 101-106, 1993

    一般社団法人電子情報通信学会

被引用文献 (1)*注記

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