カルバコール誘導β振動に対するNMDA受容体の役割変化

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タイトル別名
  • The change in the role of the activation of NMDA receptor during the carbachol-induced β-oscillation

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抄録

小動物海馬の神経リズムの発生は、中隔核から海馬へのアセチルコリンとγアミノ酪酸(GABA)作動性神経の投射及び海馬内抑制性神経の自発発火が関与していると考えられている。今回、海馬スライスにアセチルコリン作動薬であるカルバコールを投与することによってβ振動周波数帯神経リズムが観察できた。β振動中にLTPを誘導すると、β振動の周波数が低くなることが報告されたことより、LTP誘導メカニズムの1つであるNMDA受容体の活性化がβ振動周波数に関与していることが考えられる。そこで、このβ振動に対してN-methvl-D-aspartate(NMDA)受容体阻害薬である2-amino-5-phosphonova1erate(APV)を前投与すると、β振動は発生しなかった.また、β振動発生後のAPVの投与は、振動周波数を低くした。しかしながら、GABA-A受容体阻害薬であるビククリンの投与によって周振動数の低くなったβ振動に対しては、APVの投与は周振動数を高くする効果があった。これらのことから、NMDA受容体の活性は、β振動に対し、発生及び周振動数制御に関わっていることが考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572543027224034688
  • NII論文ID
    110003292642
  • NII書誌ID
    AN10060800
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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