精神分裂病の思考障害

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タイトル別名
  • Thought Disorder in Schizophrenia

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抄録

精神分裂病の思考障害については、(1)臨床心理学的には「課題処理のために適切な認知焦点・論理的推論・概念抽象度が設定できない」、(2)認知心理学的には「組織制御系の全体把握能力に基づく監視機構および組織制御系自身を改変する全体把握能力の障害」、(3)精神生理学的には「情報処理の調節系に問題が強く、制限された不器用な情報処理しかできない」、(4)脳機能障害の観点からは「直面した課題に応じて局所的脳機能を全体として動的に統合する障害」、(5)薬物療法の観点からは「これら障害の一部が神経伝達物質の状態を変化させることで改善または代償可能であること」、が指摘できる。まとめると、『個々の情報処理機能そのものに障害があるのではなく、情報処理を行なう個々の脳機能を当面の課題に合せて効果的に組織化する調節系/組織制御系の機能の障害にある』となる。

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参考文献 (36)*注記

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詳細情報

  • CRID
    1570009752530477952
  • NII論文ID
    110003314278
  • NII書誌ID
    AN10449078
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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