インターネット時代のコンピュータ・エシックス

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タイトル別名
  • Computer Ethics in the Age of Internet

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抄録

応用倫理学(Applied Ethics)とは、今世紀の後半に爆発的に発展したテクノロジーが人間社会つきつけた新しい問題群に既存の社会的諸規範が即応しえていないという問題意識にもとづいて、現代社会特有の倫理的コンフリクトの解決を目指す、新しい学問領域である。 有名なところでは「生命倫理学」や「環境倫理学」があるが、これらは、けっして既存の倫理学理論を新しい問題に「応用」することのみに腐心しているわけではない。むしろそうした「応用」によっては解決がつかない事象への対応をつうじて倫理学自身がある種の変容 (成長)をとげようとしているプロセスであるといったほうがよいであろう。したがって、「情報倫理学」ないしは「コンピュータ・エシックス」なるものが存在する(存在するべきである)とすれば、それはコンピュータに関連する諸技術の発達がもたらした(もたらすであろう)倫理問題が、既存の法システムや倫理システムに何らかの変容をせまっているからなのであって、既存のどの実定法、道徳規範を「適用」すべきかを模索するにとどまるだけでよいなら特別の存在理由はないといってよい。そのような新しい問題としては、すでにマルチメディアにおける著作権などの問題が広範に議論されているが、本報告ではインターネットに代表されるコンピュータ・ネットワークにおける諸問題への対応のありかたを、主としてその形式面から考えてみたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571698602366876288
  • NII論文ID
    110003337104
  • NII書誌ID
    AN10489017
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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