過活動膀胱患者における塩酸プロピベリンの有効性・安全性に関する臨床薬理学的検討

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タイトル別名
  • PHARMACOLOGICAL EVALUATION OF EFFICACY AND SAFETY OF PROPIVERINE HYDROCHLORIDE IN PATIENTS OF OVERACTIVE BLADDER
  • 過活動膀胱患者における塩酸プロピベリンの有効性・安全性に関する臨床薬理学的検討--ウロダイナミクス パラメーターと薬物動態との相関性
  • カカツドウ ボウコウ カンジャ ニ オケル エンサン プロピベリン ノ ユウコウセイ アンゼンセイ ニ カンスル リンショウ ヤクリガクテキ ケントウ ウロダイナミクス パラメーター ト ヤクブツ ドウタイ ト ノ ソウカンセイ
  • RELATIONSHIP BETWEEN URODYNAMIC OBSERVATION AND PROPIVERINE PHARMACOKINETICS
  • ウロダイナミクス パラメーターと薬物動態との相関性

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抄録

(目的) 過活動膀胱による頻尿・尿失禁に対する塩酸プロピベリンの有用性を評価し, その排尿機能の変動と本剤の体内動態との相関性についてPK/PDアプローチにより臨床薬理学的に検討した.<br>(対象と方法) 尿意切迫感を有する頻尿・尿失禁症例7例を対象に塩酸プロピベリンを10mg/日または20mg/日にて4週間投与後, 初回投与量10mg/日の症例は20mg/日に, 20mg/日の症例は10mg/日に変更し, さらに4週間継続投与した. 投与開始前, 投与後4, 8週間目に, urodynamics study による排尿機能検査および残尿量測定とともに血漿中濃度測定を実施し, その用量反応性および血漿中濃度反応性について検討した.<br>(結果) 初発尿意時膀胱容量は用量に依存して増加し, 不随意収縮時膀胱容量は用量および血漿中濃度の双方に依存して増加する傾向にあった. しかしながら, 最大尿流率および最大尿流率時排尿筋圧については明確な相関性は見られなかった. また, 最大効果モデルを用いたPK/PD解析の結果, 不随意収縮時膀胱容量を50%増大させる本剤の血漿中濃度はおよそ75ng/mLと推定された. 残尿量については, 下部尿路閉塞度が高度の症例のみ用量に依存して増加する傾向にあったが, 中等度以下の症例ではほとんど増加しなかった.<br>(結論) 本剤には, 用量および血漿中濃度に依存して排尿機能を改善する傾向が認められ, 投与後速やかに不随意収縮時膀胱容量を50%増加させる濃度域に達し, 概ね10%~50%の範囲で膀胱容量の増加を維持できるものと推察された. また, 残尿量増加の指標は下部尿路閉塞度と考えられた.

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参考文献 (15)*注記

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