葉緑体DNA多型から推定される食用ユリ品種の系譜

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  • Pedigree of Edible Lily Cultivars Assumed by Chloroplast DNA Polymorphism
  • Pedigree of edible lily cultivars assum

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抄録

北海道のユリ根の栽培品種は, オニユリとコオニユリの雑種由来とされたり, コオニユリとも扱われている。しかし, 品種育成の詳しい記録がなく, その系譜は不明である。野生のコオニユリとオニユリおよびユリ根用の在来品種と近代品種の葉緑体DNAのRFLP分析を行ったところ, コオニユリには7種類のハプロタイプがみられ, オニユリには1種類のハプロタイプが検出された。オニユリと扱われている在来品種は全てハプロタイプIを示し, コオニユリと扱われている栽培品種は広島県と滋賀県, 岩手県に野生するコオニユリと同じ2種類のハプロタイプIII, IVを示した。ハプロタイプの伝達は近代品種の育成の系図と一部で一致せず, 同一の品種系列と扱われた品種が異なる細胞質を保持した可能性が示唆された。また, 北海道の栽培品種が雑種起源であるとしても, オニユリは栽培品種の細胞質の親とは考えられず, 近代品種は広島と兵庫県から北海道に導入されたコオニユリの在来品種から育成されたと考えられた。

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参考文献 (23)*注記

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